2008 Music Man Luke II Black Sparkle ― Steve Lukatherの思想を形にした、ここぞという時の愛機

自分の所有するギターの中でも、レコーディングで「ここは外したくない」という場面になると、自然と手が伸びる一本がある。
2008年製 Music Man Luke II Black Sparkle。Steve Lukatherのシグネチャーモデルだ。
2008年11月26日、カリフォルニアで生まれた
シリアルは G43503。Music Manの公式データベースによれば、製造日は2008年11月26日。カリフォルニア州サン・ルイス・オビスポで作られたUSA製で、正式カラーはBlack Sparkleである。


ブラックの中に細かな輝きを散りばめたボディとマッチングヘッド。ローズウッド指板とクロームハードウェア。その組み合わせは、派手さを前面に押し出すというより、光が当たった瞬間に静かに存在感を主張する。そこが気に入っている。
音色の多さではなく、すべてが「使える」
Luke IIの魅力は、何といっても使える音の幅が広いことだ。

フロントとセンターにはEMG SLV、リアにはEMG 85。Steve LukatherらしいHSS構成で、透明感のあるクリーンから、粘りのあるクランチ、太く伸びるリードまで一本で対応できる。
単に音色の種類が多いという意味ではない。
どのポジションを選んでも、音楽の中でちゃんと使える。
ここが、このギターの強さだと思う。
LukatherはTOTOだけでなく、長年にわたり膨大なレコーディングに参加してきた、世界屈指のセッションギタリストでもある。当然、求められるのは一つの強烈な個性だけではない。曲に合わせて瞬時に役割を変え、それでも自分の音を失わないこと。その思想がLukeというギターには凝縮されているように感じる。
録音で最後に問われるのは、安定性
小ぶりで身体への収まりが良いボディ。握った瞬間に馴染むオイルフィニッシュのメイプルネック。安定したチューニング。そして、EMGならではのノイズの少なさと出力の安定感。

レコーディングでは、この「安定している」ということが意外なほど重要だ。
良いテイクが録れる瞬間は、必ずしも何度もやって来るわけではない。だから機材に余計な神経を使いたくない。音を作り、録音ボタンを押したら、あとは演奏だけに集中したい。
そんな時、このLuke IIは頼りになる。
「ここぞ」で手が伸びる理由
もちろん、自分には他にも、それぞれ個性を持った愛機がある。しかし、曲の中でギターが重要な役割を担う場面、特に「ここぞ」というフレーズを録る時、この一本を選ぶことが多い。
それは、スペックだけでは説明できない。
長く使ってきたことで、こちらが何をしたいのかを分かっているような感覚があるからだ。
2008 Music Man Luke II Black Sparkle。
Steve Lukatherという稀代のギタリストの思想から生まれた一本であり、今では自分の音楽を形にするための道具でもある。
良い楽器とは、所有して満足するものではない。
弾くたびに「これで録りたい」と思わせるものだ。
自分にとって、このLukeはまさにそんな愛機である。
愛機シリーズ、次回に続く。